阿部共実【月曜日の友達2】を読んだ感想
2018.2/23発売ということで、速攻で本屋に駆け込んで来ました。
読みました!
最高でした!
二巻で完結するという情報を知り、月野はいったいどうなってしまうのか、気になってしようがありませんでした。
二巻で完結してしまうのが惜しかったのですが、この作品に関してはもうそれで完成しているようで、なんの手の施しようもない素晴らしい作品だと感じました。
本の帯には、朝井リョウさんなど、著名人が帯コメントを書いていて、朝井リョウさんは、「この本の中に閉じ込められている、全てのこと。思い出せなくなる前に、書いてもらえてよかった」と、思い出せなくなる前に、書いてもらえてよかったという、その大事なものがこの本の中には書いてあるとコメントしていて、自分も読後にその意味が少しわかったような気がしました。
一巻の感想に、子供の部分がまだ抜けきれていない水谷をカワイイとか言ったり、でもどこかませてるとか、色々喋りました。
しかし、二巻では思春期といういびつな期間に追いやられた水谷の、その大人と子供のはざまを生きる苦悩がなつかしく、そして、美しく描かれていて自分の中学時代を思い出させられました。
ここから感想。ネタバレ含む。
月野のゲーム機をずっと借りたまま返さない火木さんに、月野のことを案じた水谷は正義を振りかざします。
その正義はどこかいびつな正義で、どこか火木さんに嫉妬していた部分があったのだろうと思います。
水谷に説教というか、月野が嫌がっていることを告げられた後の火木さんは、漫画の中では描かれておらず、火木さんはその後、何もなかったかのように振舞いますが、ものすごく、ものすごく、辛かっただろうと思います。
だって、死んだ兄貴を、大好きだった兄貴を侮辱されたのですから。
水谷は、火木さんの非を責めるに留まらず、火木さんの兄貴まで侮辱してしまったのです。
水谷は完全に自分の主観で火木さんを完全な悪だと見做してしまいます。
火木さんの本心を何も知らずに。
火木さんを主体にして、その後の火木さんを漫画で書いたのなら、阿部共実さん節というか、鬱な部分が描かれるんだろうな、とか思います。
水谷の月野に対する、利他的行動は、善なる行為ではなく、利己心を多分に含んだ、いびつな正義であった思います。
良い行いではなかったと思います。
そこの部分が、昔の自分とも重なり、一番にグッときました。
全部語るのはやめておきます。
すごい展開になるので...
ぜひ、自分で買って読んでみてください。
あと最後にここに書いておきたいことがあったのですが、それものちに重要な部分になってくるので、ここでは言わないことにしておきます。
最高でした。